。ギルベルトの野郎にへんなちょっかい出されたりしたら遠慮なく言ってね。私がぶっ飛ばしてきてあげるから!」
「アントーニョさんも天然で空気読めへんとこあるさかい、困ったことがあればうちを頼ってや!」
「フランシスさんのセクハラに関しては私に言ってください!ガツンと釘刺しとくんで!あと、あそこの生徒会長にもいやらしいことされたら……」
「しねぇよ!あの変態髭と一緒にすんじゃねえ!」
「え、えと……みんな、ありがとう」


普段は関係者以外の人間はほとんど立ち入らない生徒会室は、現在ちょっとした"女子会"の会場になっていた。

ほぼ毎日、習慣といっていいほどフランシスとアントーニョとギルベルトの三人とつるんでるだが、当然女子の友達もいる。今日は悪友三人の誘いを断り、女子友達の中でも特に親しいエリザベータとベルギーとセーシェルと一緒にゆっくり雑談でもしようということになった。はじめは、近場のカフェにでも行こうかと話し合っていたのだが、「会長がタダでおいしい紅茶入れてくれるっすよ!」というセーシェルの一言で、"あまり騒がしくしない"条件つきで生徒会室にお邪魔するに至ったというわけだ。


「……頼むから、俺がいちいち突っ込まなきゃいけないような会話はやめてくれ」
「会長が勝手に食いついてきてるんじゃないスか」
「さっきのは!お前があの露出狂ハレンチ野郎と俺を同じ感覚で扱ったからだろ!」
「はいはいすみませんー」


もっとも、一番声量が大きいのは条件を付けたアーサー自身なのだが。
セーシェルの反省の色が見えない謝罪にイライラしつつも、まだ大量に残っている書類や提出物を片付けるためにデスクに向きなおる。
一方で、女子四人も会話を再会させた。



「……あ、話逸らしちゃってすみませんっす」
「ええよー」
、大丈夫?会長がいきなり大きな声出したから……」
「だ、大丈夫!それより、エリザもセーちゃんもベルちゃんも、心配してくれてありがとう。でもあの三人との付き合いも私結構長いし、なにされても慣れちゃったんだよね」
「そんなことゆうても…」
「そうよ!特にギルベルトなんか、がきつく物言ったり断ったりしないのをいいことに絶対……」
「絶対なんスか!?」
「あんな要望こんな要望を……」
「ええっ!?」
「エリザちゃん、それは考えすぎやって」
、どうなの?」
「なんにもされてないよ」
「フランシスさんからのセクハラは」
「それはまあ……何度か」
「やっぱりあの人やってたんすね……」
「うーんちょっとは自重して欲しいわなあ」
「節操ないっすからね、あの人」
「被害届けはいつでも私たちに出してちょうだいね、!」
「了解ー。」
「とにかく、うちらはちゃんの見方やから。相談とかするのに躊躇なんていらんで」
「うん。ありがとう……!」


日常から男子に囲まれてるだ。友人側も気が気でない。エリザベータもベルギーもセーシェルも、大事な友人であるを放っておけないのだ。故にと言うべきか、三人の団結力や協調心は強かった。

そして話の話題は切り替わり、四人が今まで飲んでいた紅茶に移される。



「今さらだけどさ、この紅茶すっごく美味しいわよね。……紅茶は」
「さすが本場やわ。料理はアレでも紅茶だけはズバ抜けてうまいわあ」
「おい」
「私もそれには同意っす。なんでこんなに差があるんでしょうね?」
「お前ら」
「私、アーサーさんの入れた紅茶初めて飲みましたが、こんなにまろやかでいい香りのする紅茶は飲んだことありません。美味しいです」
「あ、ああ……そうか。それは良かった。まだ欲しいなら言えよ」


ベルギーやセーシェルに紅茶を褒められつつ料理を貶され、複雑な心境になったアーサーだが、最後にが嬉しい感想をくれたので、お馴染の「別に」から続く言葉はなく彼にしては素直な態度をみせた。


「じゃあ、あの、もらってもいいですか?」
「お、おう」
「うちも頼みますわ、会長さん」
「私もあと一杯頂こうかしら」
「私もお願いしていいっすか?」
「お前らは地味に俺の料理の腕を批判してくれたが……今回はに免じて見逃してやろう。今回だけだからな」






女子会ティータイム!


「でな、そんときロヴィーノがな……」
「ええー!?」
「ベルちゃんの周り愉快すぎるでしょ!」
「いつもそんなことになってるんスか!?」
(何で女子って何時間も飽きずに喋り続けられるんだ?)