※ 来神組と一緒にpkmnやろうぜ!なノリでできた物です
※ 非常に誰得でカオスな内容になっています。すみません
※ みんなでBWプレイしてますが歴代シリーズのネタも含んでいます
※ どんなのがきてもOKな方のみどうぞ。





































「これで24匹目……か」
「何が?」
「イルミーゼの孵化作業だよ。なかなか目当ての性格の子がでないんだ……」


肩を落として重たい溜息を吐く新羅と、新羅の手にするゲーム機の画面を覗き込む臨也。「イルミーゼ」という名でデフォルトネームを書きかえられたボックスの中には、ひたすらにイルミーゼのアイコンが縦にも横にも並んでいた。


「こんなにイルミーゼばっかり孵化させてどうすんのさ」
「決まってるじゃないか。セルティと名づけて僕の名前をつけたバルビートと一緒に手持ちに入れるためだよ」
「……ああ、そう……頑張ってね」


くだらないとでも言いたげな口調で新羅の言葉に適当に声を返すと、次はの方に寄っていく。


はなにしてんのー?」
「んー?ミュージカル。ポケモンたちが踊ってるの見てるだけで癒されるし、好きなようにコーディネートできるし、ファンからグッズももらえるからやめられないんだよねぇ」
「でも今作はRSとかDPみたいに数段階の審査制じゃなくなったからイマイチ燃えないというか」
「かわいいポケモンたちの姿が見れればそれでいーの」


バトルよりコンテスト派なは実際のところポケモン勝負もあまり強くはない。戦わせるより魅せる方が好きならしく、プラチナではちゃっかり5つの部門のマスターランクで優勝していたりする。


「ポロックやポフィンといったお菓子もないし」
「まあ、コンディションを上げる材料がなくなったのは残念かな」


会場から拍手が沸き起こり、ステージの幕が下げられてミュージカルが終了する。
ポフィンといえば以前、・臨也・静雄・新羅のメンバーで料理をしたことがあるのだが、あまりの協調性のなさにこぼしまくった挙句、まずいポフィンがたくさんできたのは今となってはいい思い出だ。ポケモンに食べさせるわけにもいかず、かといって捨てるのも躊躇われた為、現在もポフィンケースの中で静かにそれは眠っている。


「すごいね。1位じゃん」
「連勝中だよー」


えへへと笑いながら会場に集まるファンに話しかけ、グッズ収集を始めるの様子を隣で見ていた静雄が、ふと疑問に思ったことを口にする。


「お前、グッズいくつぐらい持ってるんだ……?」
「数十個はあるかな。ソウリュウシティにも毎日行ってるから」


とは逆にコンテストの類が苦手な静雄はバトル派だ。それ故にミュージカルにも行く回数が少ないせいか、物珍しそうにのプレイする液晶を見つめている。


「ミュージカルって難しくねえか?アピールのタイミングとか」
「確かに他の参加者と被っちゃうときってあるよね」


ファンからもらった新しいグッズを手に、受け付けのお姉さんに話しかけてエントリーを済ますと、今日だけでも7回目の舞台に着飾られたのポケモンが立つ。


「全然飽きないんだな」
「もちろん!京平も見てほら、可愛いでしょー」
「……お前何気にコーディネートセンスあるよな」


バランスのとれたアクセサリーの組み合わせ。スポットライトを浴びているのポケモンを見て、門田が感心したように声を出す。

そういえばDPでの通信コンテストで第一次のビジュアル審査の際、と静雄がポケモンにアクセサリーをつけすぎてしまい、幕が上がる前のシルエットがもはやポケモンの原型をなくしていて―――幕が上がった後もそのカオスな出来に皆で大爆笑したのは、いつだったっけか。

懐かしい出来事を思い出しながら、ゲーム中での自分の作業を進める門田。
ちなみに門田がプレイしているのはホワイトであり、同じく新羅もゼクロムの方を選んだ。、臨也、静雄の3人はブラックで、と一緒がいいという理由で二人が同じものを買ったのはいうまでもない。




***




「ねえねえ、みんな最近は手持ちポケモンどんな子たち連れてるの?見せ合いっこしようよ」


ライモンシティからいつの間にかヒウンシティに移動していたが、思い立ったようにそんなことを提案した。


のも見せてくれるならいいよ」
「へえ、面白そうだな」
「僕も別に構わないけど」
「せっかく集まってるんだしな」


これには全員が賛成し、順々にパーティを公開していく。まずは―――


「僕、か」


先程までイルミーゼの孵化作業でウルガモスに卵×5という廃人顔負けのパーティでスカイアローブリッジを往復していた新羅だが、パソコンを使ってチームを編成し、いつも連れ歩いている6匹を自慢げにたちに見せた。


「共通点わかる?」



ブラッキー ♀ Lv61
ゼクロム Lv100
ゾロア ♀ Lv50
ヤミカラス ♀ Lv43
ジュペッタ ♀ Lv79
ゴチルゼル ♀ Lv93



「全体的に黒いな」
「……黒い」
「真っ黒だね」
「黒すぎんだろ」


門田、、臨也、静雄、と全員が同じツッコミを入れる。新羅が黒を基準としたポケモンを集めている理由はなんとなく分かる気がするが。レベルがばらばらなのと進化前の形体が2匹ほどいるのを見ると、対戦にはこだわっていないのが分かる。


「いいじゃないか、黒。他にもダークライやピクシーも入れようかと迷ったんだけどね」


結局この6匹にしたよ、とどこか誇らしげに語る新羅。


「じゃあセルティの手持ちの方には、ジュゴンとかトゲキッスとかレシラムがいたりするの?」
「そうならどれだけ嬉しいことか!」


セルティの使用ポケモンを考察しつつ、そういえば臨也と静雄の普段着も黒と白の組み合わせだよなぁ……と、頭の隅で考えるは、そこでようやく気づく。


「……あれ?なんでゴチルゼルがいるの?」


ホワイトでは出現するはずのないポケモン。しかも親の名前は「シンラ」。


「ん?これ?臨也にチュリネと交換してもらったゴチムから卵を産ませて孵った子だよ」
「あ、そっか。かなりレベル高いね」
「レベル上げは停滞中」


もうすぐで100に到達するレベルなのだが、パーティを作った時点で満足してしまったらしく、レベル上げはきまぐれで行っているそうだ。実にマイペースである。




「僕はこんな感じ。次、静雄ね」
「おう」



ウインディ ♂ Lv100
エルフーン ♀ Lv100
チルタリス ♀ Lv100
レシラム Lv100
チラチーノ ♂ Lv100
ダーテング ♂ Lv100



「……意外。静雄ならリングマとかカイリキーとか持ってそうなのに」
「何気に6匹ともレベルは100なんだな」
「もふもふだね、もふもふ」
「ええー……これがシズちゃんの普段の手持ち?俺と対戦する時は伝説やら幻やらやたらと使ってくるくせに」



「「「……ん?」」」



「対戦って……臨也と静雄二人で通信したりしてるのかい?」
「せめてゲームの中だけでもコイツをぶっ潰すためにな」
「勝敗の方はどうなんだ?」
「勝ったり負けたり。シズちゃんの戦い方って、威力の高い技をひたすら繰り出してくるごり押しの戦闘でさ。小学生みたいに単純なんだけど、案外……ね」
「手前が状態異常厨なだけだろうが。毎回毎回長期戦にもっていって面倒くさいことばっかしやがって」
「は?厨?バトルは頭を上手く使ってするもんだから。弱点を補えるパーティ、覚えさせる技の組み合わせ、持たせる道具、入れ替えのタイミング、相手の攻撃の先読み……それ以前に強さを求めるなら、それぞれのポケモンの種族値に合った性格を厳選して少しでも個体値の高いポケモンを選び、4V以下は切り捨てる。基本だろ」
「ごちゃごちゃわけ分かんねぇこと言ってんじゃねぇぞノミ蟲!」


まだ物が飛ぶには発展していないが、激しい口論を交わし始めた臨也と静雄を、驚きの混じった目で見ると新羅と門田。


「あの二人が仲良く通信対戦ねぇ……」
「なんか意外すぎて……」
「何に関しても競い合うんだな、あいつらは」
「でも静雄のもふもふのポケモンいっぱいの手持ちいいなあ。私も集めよっかなぁ」




「次、俺いい?」
「どうぞー」



キュウコン ♀ Lv100
ラプラス ♀ Lv100
グレイシア ♀ Lv100
ミロカロス ♀ Lv100
ミミロップ ♀ Lv100
ドレディア ♀ Lv100



「… …」
「… …」
「… …」
「… …」
「なんで誰も何も言わないの」
「いや、なんて言えばいいのか分からなくてさ」


臨也のことなので悪タイプのポケモンが大半なのかと思いきや、女の子をイメージさせる6匹が並んでいたので、一同が言葉を見失い口を閉ざしてしまう。 そんな4人を前に、臨也は自分の作ったパーティのポケモンをいとおしげに眺め、


「これね、をイメージして構成したんだよ」
「え……私、を?」
「そう」


そして得意げに語り始める。


「キュウコンのようにしなやかな手足、ラプラスのように優しい目、時にグレイシアのように冷たい俺への態度、ミロカロスのように美しい肢体、ミミロップのように可愛らしい外見、ドレディアのように花を彷彿とさせる笑顔……ね、全部にぴったり当てはまるでしょ」


まるで口説くような口調で躊躇いもなく言ってのけた臨也に、それを向けられたはほんのりと顔を赤くさせてから反発する。


「あ…え…い、意味分かんない!……変態……」
「ツンデレ発動だね」


「臨也も新羅と似たようなもんだな……」
「僕もセルティに言ってみようかな」
「ノミ蟲死ね」




「京平は手持ちどんな感じ?」
「ああ、俺はな……」



ダイケンキ ♂ Lv100
グライオン ♂ Lv100
ハッサム ♀ Lv100
ギャロップ ♂ Lv100
メブキジカ ♀ Lv100
デスカーン ♂ Lv100



「?……特にこれといった共通点は……」
「バランスがいいんじゃない?」
「弱点が集中してないな」
「ドタチンらしいね」



タイプを考慮されて作られているパーティは、真面目な門田の性格を反映しており、かなりやり込んでいることはレベルを見れば分かった。華があるとも地味ともいえないメンバーだが、凝られているのは確かだ。


「もしかして京平って厳選とかしてる?」
「いや、ほとんどしてねぇよ」
「勝ち負けにはこだわらないのか?」
「どっちかっつーと、な」
「確かに門田君って勝負に強く執着してなさそうだもんね」


勝ち負けにはこだわらない。とはいっても、100まで育てあげたポケモンと勝負の腕がある門田のことだ。今まで負けた回数は少ないのだろう。


「みんな強そうだなぁ……私多分この5人の中で一番弱いよ……」
「そう言うも実は強かったりして」
「まさか!」
「じゃ、見せてね」


自信をなくして項垂れているの手から、隙をみて臨也がゲーム機を取り上げる。


「ちょっ……!返して!」
「んーどれどれ」


その時までは意地悪な笑みを浮かべていたのだが、そのうち臨也の表情がみるみると変わっていき―――


「……え?」
「もう!勝手に見ないでよ!」
……これって……」
「…ああーもう……」


取り返すのが遅かった、といわんばかりに後悔に顔を歪める。一方で二人のやり取りを見ていた新羅、静雄、門田も原因のゲーム機の画面に目をやる。
表示されているのはの手持ちポケモン計6匹。
4匹は先程のミュージカルで舞台に上がっていたポケモンであり、あとの2匹はというと―――「シズオ」という名前のサンダーと、「イザヤ」という名前のアブソルだった。


「……これ、がつけたの?」
「そうだよ。……え、絵理華ちゃんとウォーカー君がガルーラに「キョウヘイ」ってつけてるの見ておもしろそうだなって思って……。ちなみに理由はオカンっぽいからだって」
「よりによってガルーラかよ」
「あいつらなにやってくれてんだ……」


今度狩沢と遊馬崎に会ったらなんて言ってやろうかと考えていたところ、の"シズオ"と"イザヤ"に気を取られて思考がそれる門田。

(なんでサンダーがシズオでアブソルがイザヤなのかってのはなんとなく分かるが……。がこんなことしてるとは思わなかったな)


「あの……、臨也と静雄がいやならすぐニックネーム変えるよ?」
「嫌なわけないじゃない。はアブソルを俺に見立てて育ててたわけだよね。つまりゲームの中でも俺を求めてくれていたということで……」
「はいはい……」
「俺は嫌じゃねぇよ。…むしろ嬉しいし……」
「そういってもらえたら安心するな」
「にしてもサンダーとアブソルなんて静雄と臨也にぴったりじゃないか。おまけに性格まで」
「性格厳選は結構頑張ったんだから。粘って粘って…」
「その愛を現実の二人にも向けてやって」
「?」



新羅、静雄、臨也、門田、全員の手持ちポケモン発表会が終わり、また個人個人での行動が開始される。今日だけでも軽く数時間はしているが、集まって会話をしながらやるのは楽しいもので、飽きない。

まだ発売から一年も経ってないBWをプレイしつつ、はやくもマイナーチェンジの話をする5人だった。




それぞれの色