「静雄大好き」
「俺も大好き」
「私の方が静雄のこと好きだよ。好き好き、大好き」
「いや、俺の方が上だ。のこと大っっっっっ好きだからな」
「じゃあ私は超好き!超ーーーっ好き!」
両者どちらも引かない「好き」の背比べ。典型的なバカップルの会話を繰り広げているのも、またお互いを深く愛しているカップルであり。他人が聞いたら顔を真っ赤にして目をそらすこと間違いなしのトークをしながら、甘々オーラを放つと静雄。とまる様子を見せない「好きの言い合いっこ」はどんどんとスピードを増していき、
「もうすっごく好きなんだから!ありえないくらいに大好きなんだから!」
が両腕を広げて「大好き」を表現すると、静雄は少し困ったように笑う。
「今回は俺の負けかな」
「やった勝った」
「今回はだぞ、今回は。次は絶対負けねえからな」
「このまま連勝しちゃうもーん」
「させねぇよ」
小さいの身体を腕の中に閉じ込めると、首元に顔を摺り寄せてくる。さらさらで綺麗な髪が少しくすぐったい。
頼りなく細い手足は簡単に折れてしまいそうで、体重だって軽くて、肌の色も白い。触れてみると改めてと自分の体格差がはっきりと分かり、ちゃんと食べてるのかと不安に思ってしまう。それと同時にもし力を入れすぎて壊してしまったら……と、後ろ向きな考えも頭の中に浮かんでくる。でも。
「静雄、本当に大好きだよ」
のかけてくれる言葉と太陽のような笑顔が、そんなもやもやを吹き飛ばしてくれる。
「」
「ん?」
「愛してる」
重ねる唇から伝わる体温は、ほどよく思考を溶かしていく。砂糖よりもチョコよりもキャラメルよりも甘く、愛し合ってるからこそ味わえる大好きの味。
「私も愛してる」
「俺の方が愛してるけどな」
「違うよ、私だよ」
「好き」の次は「愛してる」の言い比べ。二人にとっては負けられない勝負である。二回目の惚気合戦は先程よりも白熱し、長く続いた結果静雄が勝者に終わった。
「な、言っただろ。負けねえって」
「今日は引き分けだね。一勝一敗」
「ああ。……これからも愛してるからな」
「飽きたりしない?」
「するもんか。鬱陶しがるくらいに愛してやるよ。愛し続けてやる」
「ずっと?」
「もちろん」
それをきいて照れくさそうに笑ったは、静雄の頬にキスをする。
「私もずっとずっと愛してる」
キミ以上、ボク未満。