※ ネタバレ有り
※ ゲームプレイ中の方はご注意下さい
※ 1.04公開前に書いたものです

































「ねえ、は外の世界にいた頃は、どんな所でどんな風にどんな人たちとどんな生活をしていたの?」


不気味な美術館内で、二手に別れて脱出方法を探ることになった際。メアリーが共に行動するペアになったに対して、上記の疑問を投げつけた。


「え?」
「よかったら、教えてくれない?」


純粋な瞳に見上げられ、は拒否することも言葉を濁すこともできなくなる。質問自体はおかしな点のないノーマルなものなのだが(とはいっても少し踏み込んできてる気はするが)、まだ顔をあわせて間もない相手にペラペラと喋れる話題ではない。


「え、えっと……」


期待して耳を立てるメアリーの横で、は必死に言い回しを考える。


―――どんな所でどんな風にどんな人たちとどんな生活を――か。
―――できるだけ簡単で、それでもって相手にしっかり伝わるようなのは……。
―――……。
―――…………。
―――………………。
―――むー……。


「……?」


さすがに沈黙が長いと思ったのか、メアリーが不思議そうにの顔を見つめる。はじっくりうんうんと悩んだ末、ゆっくりと唇を動かして、


「……どこにでもありそうな家庭で育って、ごく平凡な日々を送って、家族と友達に囲まれて、普通に……育ったよ」


目線を泳がせながら、(あれ?これって回答になってる?)と不安を覚えつつも、メアリーの疑問全てに答えた。それを聞いたメアリーは、数秒ほど間を置いてから、


「ふうん……」


と、納得しているのかしていないのか微妙な反応を見せた。


「じゃあさ、にはきょうだいとかっている?」
「きょうだい?……きょうだいは、」



「兄がいるんだ」
「姉がいるかな」
「実は、妹が」
「弟が下にいるよ」
「二人以上いるよ」
「いない。一人っ子だよ」